商品の選び方
自由雲台を使ってみたいが何を購入すればよいのか分からないという方のために、まずは概要をご説明します。
マーキンスは、近年世界的に主流となっているアルカスイス互換(ダブテールスタイル)を採用しています。これは、カメラやレンズを三脚や雲台に素早くかつ安定して取り付けるための規格の一つです。この規格は、アルカスイス(Arca-Swiss)社が初めて製品に採用し、現在では多くのメーカーで採用されています。
アルカスイス互換システムは、主に以下の二つの要素から成り立っています:
- プレート
カメラやレンズの底部に取り付ける金属製のプレート。これには溝が刻まれており、雲台のクイックシューにぴったりと合うようになっています。 - クイックシュー(クランプ)
雲台に取り付けられているパーツ。溝の付いたプレートをこのクイックシューに差し込み、簡単にしっかりと固定できます。
アルカスイス互換システムのメリットは以下の通りです:
- 素早い取り付けと取り外し
クイックシュー(クランプ)により、カメラやレンズの取り付けと取り外しが迅速かつ簡単に行えます。 - 安定性
プレートとクイックシュー(クランプ)の接触面が広く、しっかりと固定できるため、撮影時の安定性が向上します。 - 互換性
アルカスイス互換システムを採用している機材同士であれば、異なるメーカーのプレートとクイックシューでも互換性があり、組み合わせて使用できます。
このように、アルカスイス互換のシステムは、カメラやレンズの取り付けを簡単かつ安定して行える便利な規格です。
マーキンスもこの規格を採用しているため、多くのカメラアクセサリーと互換性を持ち、使い勝手が良いのが特徴です。
マーキンスの自由雲台を使用するために必要な基本アイテムは以下の通りです:
- 自由雲台
自由雲台の選び方をご参照いただき、最適なモデルをお選びください。 クイックシュー別売モデル(Q10i-NQS・Q20i-NQS)を除き、全ての雲台にクイックシューが装着されています。 - カメラ・レンズ用プレート
カメラやレンズの底部に取り付けるアルカスイス互換(ダブテールスタイル)のプレートが必要です。機種ごとに最適なプレートが異なりますので、プレートの選び方をご参照の上、お選びください。 - 三脚
自由雲台を取り付けるためのネジは太ネジとなりますので、細ネジのみの三脚の場合、ブッシューアダプタを購入して雲台のネジ穴に取り付けてください。
概要は以上ですが、ここからは自由雲台・クイックシュー・プレートについて個別にご説明いたします。
また、最後にVR-ホルダーについての説明もありますので参考にしていただけると幸いです。
自由雲台の選び方
マーキンスの自由雲台は、耐荷重量によりQ3i・Q10i・Q20iの3つのシリーズに分かれます。下記の表を参考にシリーズをお選びください。もし、どのシリーズを選んだら良いか分からない場合は、標準のQ10i シリーズをお勧めします。
シリーズ | 特徴 |
Q3i (トラベラー) |
ジッツオ・トラベラー三脚で使用する場合に最適です。 適応確認済み三脚 → GT1541T, GT1544T, GT1545T, GT2542T, GT2545T |
Q3i (小型軽量) |
登山や移動の多い現場や、できるだけ小型軽量化したい場合に最適です。 レンズは1.5㎏くらいまでのものをお勧めします。 |
Q10i (標準) |
十分な対価重量と適度なサイズで最もバランスの良いシリーズです。 操作性と安定性から一番のお勧めです。 |
Q20i (最上級) |
超望遠レンズを少しでも滑らかに操作したい場合に最適です。 3㎏以上のレンズを使用するときにお勧めです。 |
※
マーキンスの自由雲台には、クイックシュー別売のNQSモデルを除き、全モデルにクイックシューが装着されております。
※
自由雲台の底に太ネジ穴(3/8"-16 UNC)があり、回しながら三脚ネジに装着しますので、工具は必要ありません。
※
多くの三脚では雲台取付け用のネジとして細ネジ(1/4" UNC)と太ネジ(3/8"-16 UNC)が用意されていますが、細ネジしか用意されていない三脚の場合は、自由雲台のネジ穴に別売の ブッシュアダプタ をとりつけることで装着が可能になります。
シリーズが決まりましたら、次にクイックシューをノブ・レバー・パノラマのどれにするか選んでいただき、カラーを選択すれば商品(型番)が決まります。
【 自由雲台 型番 早見表 】
シリーズ | シュータイプ | カラー | |||
Q3i (小型軽量) |
TR (トラベラー) |
ノブ式 | ␣ | ブラック レッド |
-BK -RD |
レバー式 | Q | ||||
パノラマ式 | P | ||||
Q3i (小型軽量) |
ノブ式 | ␣ | ブラック レッド |
-BK -RD |
|
レバー式 | Q | ||||
パノラマ式 | P | ||||
Q10i (標準) |
ノブ式 | ␣ | ブラック レッド |
-BK -RD |
|
レバー式 | Q | ||||
パノラマ式 | P | ||||
Q20i (最上級) |
ノブ式 | ␣ | ブラック レッド |
-BK -RD |
|
レバー式 | Q | ||||
パノラマ式 | P |
例)
① Q3iTR-BK → Q3i トラベラーモデル ノブシュー ブラック
② Q20iQ-RD → Q20i レバーシュー レッド
① Q3iTR-BK → Q3i トラベラーモデル ノブシュー ブラック
② Q20iQ-RD → Q20i レバーシュー レッド
自由雲台の選び方は以上ですが、より詳しい説明が こちら にございますので、よろしければ併せてご覧ください。
クイックシューの選び方
マーキンスのクイックシューは、レバー・ノブ・パノラマの3つのタイプに分かれますので、まずは下記の図と表を参考にシュータイプをお選びください。もし、どのシリーズを選んだら良いか分からない場合は、ノブタイプをお勧めします。
タイプ | 特徴 |
レバー | ワンタッチで着脱可能であり、また締め付け方向を変更することもできるため、単一メーカーのプレートをご使用の場合には、操作が簡単で便利ですが、万一、複数メーカーのプレートを並行してお使いになる場合は、その都度クランピング・トルク調節ネジを回して、プレートの締め付け幅を調節して下さい。 |
ノブ | ノブを回してプレートを徐々に締め付ける方式ですので、複数メーカーのプレートを並行してお使いになる場合に便利です。着脱も約1回転のクイックターンを採用しておりますので、素早い着脱が可能です。 |
パノラマ | 一枚の写真に納まりきらない風景をつなぎ合わせるパノラマ写真撮影に最適なクイックシューです。 |
次にクイックシューを単体でご購入される場合、雲台に固定するネジにより、用途が異なりますのでご留意ください。
- 太ネジ(UNC 3/8"-16)用(左図)
- M6 ネジ(i-Type 自由雲台)用(右図)
太ネジ(UNC 3/8-16)用は、一脚や3WAY雲台などに装着してお使いになれます。また、現行のi-Type 自由雲台が発売される前までのモデルに採用されていましたので、旧モデルの自由雲台のクイックシューを交換される場合には、太ネジ(UNC 3/8-16)用からお選びください。
一方、M6 ネジ用のクイックシューは固定部の形状が太ネジ用とは異なり、マーキンスのi-Type 自由雲台専用の設計となります。他社製の雲台には固定できませんのでご留意ください。
プレートの選び方
プレートには、カメラプレート・L-プレート・レンズプレート&フット・リングプレート・パノラマレール と多数の種類がありますが、ここでは基本的なカメラプレート・L-プレート・レンズプレート&フットについてご説明します。
① カメラプレート
カメラ本体に装着するプレートです。このプレートを自由雲台(クイックシュー)に装着して使用します。
プレート型番表よりお使いのカメラに合ったプレート型番をご確認下さい。
② L-プレート
一般的にL字プレート、L型ブラケット、Lアングルホルダーなどとも呼ばれています。
雲台を動かさずに、すばやく横位置・縦位置の切り替えができるプレートです。縦位置撮影は、 L-プレートを使わなくてもボールを90度傾けることにより可能ですが、L-プレートを使うことにより、光軸のズレが抑えられ、カメラが外側に逃げることを防げますので安定性も保てます。
また、L-プレートはモデルにより、はじめからL-プレートとして発売されたものと、カメラプレートとサブプレートを組み合わせてL-プレートにするタイプとがあります。
ボールを傾けての縦位置 光軸が変わり重心が片寄る |
L-プレートによる縦位置 正位置から瞬時に変更可能 |
③ レンズプレート&フット
レンズの三脚座に装着するのがレンズプレートで、交換用の三脚座がレンズフットです。まず、プレート型番表 にレンズフットがある場合は、レンズフットのご使用をお勧めします。レンズフットがない場合は、三脚座の長さと同じくらいか、やや長めのレンズプレートをお選び下さい。
よくあるご質問となりますが、ちょうど良いレンズプレートにネジが2つ付いているものの、三脚座にはネジ穴が1つしかないといった場合、レンズプレートのネジを1つ外すことでご使用いただけます。また、フランジがあるレンズプレートの場合、飛び出ているフランジ部分を三脚座の端の部分に引っ掛けるように装着されますとプレートずれを防ぐのに役立ちます。
※
プレートの装着ネジは1/4 UNC(細)ネジです。
※
プレートネジの締めつけには別売の
六角棒スパナ(4mm) が必要です。
VR-ホルダーの選び方
VR-ホルダーは、撮影時の振動を効果的に抑制するために設計された製品です。主にカメラとレンズの2点、またはレンズの2点を支えることにより、優れた振動抑制効果を発揮します。
VR-ホルダーのクイックシューにはレバータイプとノブタイプがありますので、クイックシューの選び方をご参照のうえ、お好みのタイプをお選び下さい。
York(レンズの前方を支えるパーツ)は、機材を支える2点の段差により、短いタイプの YK-15S か、長いタイプ YK-15L かをお選び下さい。 YK-15S はVRクイックシューとYorkの段差が約1cm、YK-15L は約3.5cmとなります。 基本的には、バッテリーグリップを付ける場合はYK-15L、付けない場合はYK-15Sをお選びください。
また、下図にVR-ホルダーのサイズがありますので、ご使用のカメラ+レンズに適合するかどうかの参考にして下さい。
※ VR-15J シリーズ
それぞれ、カメラとレンズで支える場合は、カメラにカメラプレートを装着し、カメラプレートをクイックシューに装着します。同じように、レンズの2点で支える場合はレンズにレンズプレートを装着し、レンズプレートをクイックシューに装着します。
説明は以上となりますが、 よくあるご質問 などもご参照いただきまして、ご不明な内容がございましたら お問い合わせフォーム よりお気軽にお問い合わせください。