自由雲台の選び方
マーキンスの自由雲台は、耐荷重量によりQ3i・Q10i・Q20iの3つのシリーズに分かれますが、雲台に装着する機材のサイズや重量、重心の位置などにより雲台にかかる荷重は異なります。
例えば、三脚座つきのレンズの場合、一般的にはカメラのボディーよりも三脚座の方がより重心に近いと思いますが、この機材を三脚座につけたレンズプレートとカメラにつけたカメラプレートのいずれかで雲台に装着するとします。
三脚座の方が重心に近いことが前提となりますが、カメラプレートで支えるよりもレンズプレートで支える方が荷重は低いため、安定性が向上し、ブレの発生をその分抑えることができます。
これは、実際に機材を手で支えてみれば実感して頂けると思いますが、同じ機材でも、装着する位置により荷重が変わりますので、機材の重量イコール荷重ではないという点をまずはご理解ください。
参考までに、対荷重量について「韓国語版 デジタルカメラマガジン 2007年 6月号」にて分かりやすく掲載された 記事がありますのでご一読下さい。→ 記事を開く
本題に入りますが、3つのシリーズの中で標準となるのはQ10iシリーズです。 Q10iシリーズであれば、ほとんどの機材をカバーするからなのですが、ご参考までに Nikon 800mm F5.6 を載せた動画がありますのでご覧ください。→ 動画を開く
デモ映像で使われた自由雲台は、2002年モデルで耐荷重量45kgですが、現在のこの耐荷重量を持つのがQ10iシリーズなのです。 勿論Q10iシリーズは、軽い機材をお使いの場合でも全く問題はありません。
また、2002年当時は 45kg が最高のモデルでしたが、現在は耐荷重量 50kgの Q20i シリーズ が最上位シリーズです。 ボールが大きい分、動きが滑らかで余裕がありますので、使いやすさの点から前述の 800mm f5.6 やそれに近い重量のレンズの場合は Q20i シリーズ をお勧め致します。
ではQ3i シリーズはといいますと、200㎜くらいまでの望遠の場合にお勧めです。 一概に200mmといいましても、例えば 70-200 f2.8 ズームレンズ になりますと約1.5kgほどになり、ニコンD850やキャノンEOS5D Mark IV と合わせますと約2.5kg程になりますが、このくらいまでが Q3i シリーズのお勧め範囲です。 これ以上の重量はQ10i をお勧め致します。
これでどのシリーズが良いのか、だいたいご判断がつくのではと思いますが、何かご質問がありましたらお気軽にご連絡下さい。
後はクイックシューのタイプをノブ式・レバー式・パノラマ式の中から選択し、カラーを決めれば型番が決まります。 また、クイックシューのタイプについては、 クイックシューの選び方でご説明します。
Q3i シリーズにはトラベラーモデルがありますので、ここで、トラベラーモデルについてご説明します。
ジッツオ(GITZO)にトラベラー三脚という脚を反転して収納する三脚がありますが、この三脚用に発売されたのが、マーキンスのトラベラーモデルになります。 脚を反転して折りたたむ際に、干渉するパンニング目盛のでっぱりを無くし、短いショートノブシューに変更したことによりピッタリと収まるようになりました。
違いはこれだけで、ジッツオ トラベラー三脚にはトラベラーモデルをお勧めしますが、それ以外の三脚の場合は、でっぱりのあるパンニング目盛の方が使いやすいと思います。
※
ジッツオ・トラベラー三脚適応確認済みモデル
→ GT1541T, GT1544T, GT1545T, GT2542T, GT2545T
→ GT1541T, GT1544T, GT1545T, GT2542T, GT2545T
【 自由雲台 仕様早見表 】
シリーズ | モデル | シュータイプ | 耐荷重 | ベース直径 | 本体重量 |
Q3i (トラベラー) |
Q3iTR | ノブ式 | 30kg | 50mm | 368g |
Q3iTRQ | レバー式 | 373g | |||
Q3iTRP | パノラマ式 | 482g | |||
Q3i (小型軽量) |
Q3i | ノブ式 | 30kg | 56mm | 381g |
Q3iQ | レバー式 | 382g | |||
Q3iP | パノラマ式 | 488g | |||
Q10i (標準) |
Q10i | ノブ式 | 45kg | 62mm | 488g |
Q10iQ | レバー式 | 490g | |||
Q10iP | パノラマ式 | 592g | |||
Q20i (最上級) |
Q20i | ノブ式 | 50kg | 68mm | 553g |
Q20iQ | レバー式 | 555g | |||
Q20iP | パノラマ式 | 640g |
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マーキンスの自由雲台には、クイックシュー別売のNQSモデルを除き、全モデルにクイックシューが装着されております。
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自由雲台の底に太ネジ穴(3/8"-16 UNC)があり、回しながら三脚ネジに装着しますので、工具は必要ありません。
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多くの三脚では雲台取付け用のネジとして細ネジ(1/4" UNC)と太ネジ(3/8"-16 UNC)が用意されていますが、細ネジしか用意されていない三脚の場合は、自由雲台のネジ穴に別売の ブッシュアダプタ をとりつけることで装着が可能になります。