フィンランド撮影ツアーにて

2019年09月06日
写真家 ミゾタユキ
今回、北欧旅行フィンツアーの企画にて、フィンランド撮影ツアーに行ってきました。年に一回催行し、今年は3回目。今までは初夏の白夜にしていましたが、9月になるとオーロラも見えるので今回はツアーの2夜をオーロラチャンスとして、サンタクロースもいるロヴァニエミへ向かいました。平均気温は15度。夜も7度ぐらいなので、震えずにオーロラを狙うことができます。

ツアーメンバーのほとんどが普段スナップ派なので、何名かはこのタイミングで三脚とマーキンスの自由雲台プレートを購入しました。携帯性に優れている折りたたみの三脚では、Q3iTRノブシュー トラベラーモデル、通常の三脚ではQ3iノブシューの自由雲台を、色はそれぞれ好きな色を選びました。カメラは一眼レフ・ミラーレスカメラ、メーカーもニコン・富士フイルム・オリンパスと皆違うので、プレートも機種に合わせました。わたしの自由雲台はいつものQ3i-BL青い自由雲台ですが、今回のツアーで撮るカメラをNikonZ6にしたので、プレートはPN-Z7(ニコンZ7 Z6用カメラプレート)とLN-Z7(ニコンZ7 Z6用サブプレート)を合わせてL字のプレート(L-プレート)にしました。
マーキンス自由雲台
ツアーメンバーのカメラ集合 マーキンスプレート付き
当日の夜を迎えて車で行った先は真っ暗な森の中。オーロラを撮るときは、暗くなる前にレンズをマニュアルフォーカスにして遠景にピントを合わせ、ピントリングが動かないようにテープで固定するという準備が一般的ですが、夕方にロヴァニエミに着いて夜ご飯を食べた後なので、もう完全に闇でした。頭上には星がたくさん、普段見上げる夜空とは比べられないぐらいの美しさです。幸い?オーロラがあまり出ていなかったので、慌てずに撮影の準備ができたと思います。
さて一番肝心なピント合わせですが、・・・暗すぎてよくわかりません。液晶モニターで拡大表示をして一番明るい星でピントを合わせる、というのもセオリーのひとつですが開放値F4では少々分かりづらい。ツアーメンバーの方からも「よく見えません!」という声が出たところで、ベテランのメンバーが星になりました笑。
20mぐらい離れたところでヘッドライトをつけて星の代わりをしてくれたのです。
オートフォーカスでピントを合わせてからマニュアルフォーカスに切り替えて固定すればもう大丈夫。

オーロラは遠くに薄い煙のような様子が見える程度、あとは勘で構図を決めて撮影です。オーロラに動きもないのでISO3200 絞りはレンズの開放値F4 20秒で撮ってみました。
マーキンス自由雲台
虹のようにカーブを描いたオーロラが写りました。これでも肉眼よりはハッキリしています。よく見ると、右側は天の川。オーロラに変化がないので、縦位置にチェンジ!
マーキンス自由雲台
ヘッドライトの赤いランプで手元を照らし、ノブをゆるめてかメラを縦位置に切り替えました。L-プレートにしているので、カメラを付け替えるだけですぐに撮影できるのですが、真っ暗の中でその便利さと時短がとても役に立つと思いました。縦位置にする時に雲台をつけたままでカメラを倒し、水平&垂直を確認して構図を決め直すよりも簡単で、間違って触ってしまいピントをもう一度確認することも回避できるので、うっかりする自分に向いています。

約1時間半ほどいましたが、この日はここまで。頭上で揺らめくようなオーロラには会えませんでしたが、静かな夜空とささやかなオーロラを皆で撮って楽しみました。フィンランドは9月からオーロラが出現し、湖のロケーションで風がなければ湖面にオーロラと星が鏡のように映り込みます。寒いのが苦手な方にはおすすめです笑。今、この現場便りを綴りながらもう一度フィンランドに行ってオーロラを撮りたいなと思っています。
マーキンス自由雲台
翌日の撮影準備の様子
写真家 ミゾタユキ
ミゾタユキ

日本大学芸術学部映画学科撮影コース卒。シーンの中のワンショットに魅かれ、北海道での観光写真業をきっかけに写真の世界へ。カメラマンアシスタントを経て独立。猫や日常、旅先でみつけた小さな情景を作品として撮り続ける。カメラ誌、書籍を中心に写真教室講師、フォトコンテストの審査も携わる。 ニコンカレッジ講師。

ウェブサイト: https://mizotayuki.tumblr.com/
ブログ: http://happybrass.blog41.fc2.com/

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