新雪と紅葉

2021年11月 青森県 八甲田
風景写真家 新海良夫
紅葉の撮影に出てもきれいな紅葉にめぐり会うとは限らない。
今年の秋は、9月から10月前半の標高が高い山の紅葉はとてもきれいな紅葉だという情報を聞いて出かけると見事に裏切られた。
まだ色づきもない緑のところが多かった。原因は、10月上旬の気温の高さが影響してしまったようだ。
仕方なく各地を移動、長野県から栃木県、山形県、秋田県を経由して、とうとう青森県まで来てしまった。
朝、十和田湖を見るとまだ緑が多い、奥入瀬渓流も浅い紅葉。八甲田に向かうと傘松峠は雪で朝の9時まで通行止めになっていた。異常としか言いようがない。
田代平湿原に目的地を変更、そこには青空と新雪の八甲田山が私を待っていてくれた。周囲の紅葉も色とりどりで、池には睡蓮の葉が紅葉していた。やっと出会えた紅葉風景。
風景写真家 新海良夫
Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F4L IS USM / F11 1/20秒 ISO-100
風景写真家 新海良夫
Canon EOS 5D Mark IV / EF70-200mm F4L IS USM / F11 1/125秒 ISO-200
翌朝は驚きの雪景色。朝6時からすごい雪となり除雪車が雪をかき分けて作業するほどで、積雪は5cmにもなっている。
雪は降り止む気配もないので、傘をさして紅葉が雪でうまる景色を撮ろうと歩きはじめた。
ナナカマドの赤い実は白い雪の帽子を被っている。雪は降り続き、カメラをビニールで覆うがレンズに雪がつくので傘でレンズにかかる雪を防ぐ。
そんなとき便利なのが自由雲台。片手で作業してもこの自由雲台(Q10i-BK)ならしっかりとホールドしてくれる。
風景写真家 新海良夫
Canon EOS 5D Mark IV / EF24-70mm F4L IS USM / F11 1/500秒 ISO-200 +0.67EV
酸ヶ湯の地獄沼に着くと、紅葉の木々は白く覆われ沼からは白い湯煙の水蒸気がもうもうと立ち昇る。そこに柔らかな光が差してきた。
風景写真家 新海良夫
Canon EOS 5D Mark IV / EF24-70mm F4L IS USM / F11 1/160秒 ISO-100 +0.33EV
日が差し始めるとこの季節の雪はすぐに解けてくる。そのためには、撮影する被写体を素早く動いて探す事が重要。ストレスのないカメラのセッテイングが写真の精度まで影響してくる。急ぐときには手持ちのほうが早いという人がいるが、微妙な被写界深度などは三脚を使用したカメラできちんと確認したほうがいい。
そのためには、自由雲台の精度がとても大切だと考えている。
Canon EOS 5D Mark IV / EF24-70mm F4L IS USM / F11 1/125秒 ISO-100 +0.33EV
Canon EOS 5D Mark IV / EF24-70mm F4L IS USM / F8 1/320秒 ISO-100 +0.33EV
気温が上がり雪は解け始めるとブナの林は紅葉の色が光を浴びて彩りを増してきた。
クマザサの緑に雪が積もった大地の近くと違って、木々の上部からは解けた雪が落ちてくる。
このような被写体では、構図がとても重要になる。
三脚を使用しての撮影は構図だけに気を配れる利点がある。シャッタースピードを気にせずに撮影できるからである。(設定は絞り優先のオート撮影)
構図で特に気をつけたいのが、左右の木々の幹の配置である。
Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F4L IS USM / F8 1/50秒 ISO-100
Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F4L IS USM / F8 1/5秒 ISO-100 +0.33EV
雪が消えはじめてはじめて気がついたのが、木々の重なり具合と配列。
画面右を多めにしたのは右の木々の並びがきれいだからである。
カメラの背面ファインダーで確認してその事に気がついた。三脚使用のおかげである。
Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F4L IS USM / F8 2.5秒 ISO-100
城ヶ倉大橋の真下を見るのはちょっと怖い。
でも、一番手前のブナの色が良かったので橋の欄干からカメラをせり出して画面に入れ込んで撮影。
ここでも自由雲台(Q10i-BK)は素晴らしいと感じた。ライブビューでの撮影でないと橋から身を乗り出す撮影では無理だからである。
しっかりとした自由雲台でなければカメラのバランスを保つのも大変、カメラが落下する危険もあるからだ。そのような心配がないマーキンスの自由雲台。
しっかりと固定すれば外れることはない安心感がある。
撮影の重要な相棒であるとその時にも感じていた。
Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F4L IS USM / F11 0.3秒 ISO-200
マーキンス自由雲台
風景写真家 新海良夫
新海良夫
1953年長野県生まれ、千代田デザイン写真学校卒業後、(株)写真弘社にてカラー技術者として勤務。以後 フォトライブラリー写真家として全国の風景写真を大型カメラで撮影。 2007年よりデジタルカメラを使用し、カレンダーや写真誌などに作品を提供。 個展やグループ展でも作品を発表している。
日本風景写真家協会会員
ウェブサイト: www.shinkai-photo.com

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