ツキヨタケ(月夜茸)

2020年09月18日 東北
風景写真家 高橋よしてる
この夏、東北地方の取材で久しぶりに月山山麓のブナ林を訪れた。

ここは巨木や沼なども点在している私のお気に入りの撮影場所。ブナ林は緑葉の季節も良し、落ち葉の季節も良し、春の雪解けの季節も良しと年間を通じて絵になる風景ということもあり、30年程前からライフワークとして通い続けている。

現場までは30分ほどの登山道で、アップダウンを繰り返し、まだ日中の明るいうちに目的地に到着。

三脚をセットして早速構図決めに取り掛かるのだが、実はこの時に活躍するのがマーキンスの自由雲台 Q20i-BK-S 特注モデル。

何故このモデルかというと、真上に構図を決める時にボールを固定するノブが通常のモデルとは反対の左手側となる、僕にとっては理想的な雲台だからである。
風景写真家 高橋よしてる
EOS 5D Mark IV / EF24-105mm F4L IS II USM / F13 1.6秒 ISO200 -0.7EV
風景写真家 高橋よしてる
このモデルを入手する前は、Q20iQ-BKをメインで使用していたが、これはレバーシュータイプなので、分かりやすく同じノブシュータイプのQ20i-BKと比べると、耐荷重量などの性能は全く同じで、ボールを締め込むためのノブが反対側に付いているという違いのみ。

もう少し説明すると、マーキンスの自由雲台にはU字溝が切ってあるのだが、これはカメラプレートで装着した場合にシューを左側に90度傾けて縦位置撮影をするのが主目的なので、この時にボール固定ノブの操作がしやすいように正面に配置したものが現在の標準モデルのようだ。ちなみに、L-プレートで装着した場合、シューを90度傾ける必要はない。
マーキンス自由雲台
しかし、このU字溝の用途はこれだけではなく、例えば木を下から見上げるような構図をつくるときにも使うので、この構図をよく使う僕の場合、その時の固定ノブの位置が右手側になる標準モデルよりも左手側になるこのモデルの方が使いやすい。
風景写真家 高橋よしてる
実はこのモデル、以前は商品ラインナップにあったらしいのだが、いつの間にかラインナップから外れてしまったとか..。
ブナ林
EOS 5D Mark IV / EF24-105mm F4L IS II USM / F13 1.3秒 ISO160 +1.3EV
ブナ林
EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F4L IS USM / F14 1秒 ISO160 -0.3EV
さて、実はこの日の一番の目的は、朽ちたブナに群生するツキヨダケの撮影だったのだが、残念ながらこの後、天候が急変してしまい撮影を断念。

代わりに以前撮影した作品を紹介させてもらう。その日は、満月でなく半月だったので木々が潰れないか心配だったが、思い描いていた緑に写す事が出来た一枚。
ツキヨタケ(月夜茸)
EOS 5D Mark IV / EF24mm F1.4L II USM / F5.6 30秒 ISO6400
またここを訪れるのは来年になると思うが、こうして作品を振り返るとその時が今から楽しみだ。
写真家 高橋よしてる
高橋よしてる
1965年 千葉県生まれ。 16歳の時、旅行で訪れた釧路湿原で出会ったタンチョウヅルに魅せられ、写真をはじめる。国内外の各地で四季折々に変化する自然やそこに生きる野生生物を精力的に撮影。その作品は、数多くのカレンダー、ポスター、雑誌の表紙を飾っている。
日本風景写真家協会会員
ウェブサイト: teru-photo.com

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