Toshihiro Hayashi | Markins Ball Head


テーマ
自然風景撮影
撮影者
写真家・林 敏弘
http://tramping.exblog.jp/
撮影日付
2012年04月30日
撮影場所
宮城県南三陸町歌津崎
撮影機材
マーキンス
ペンタックス
K-5
DA★ 16-50mm F2.8, DA★ 50-135mm F2.8
ジッツオ
GT1530
レビュー
私が主に撮影する対象は、風景。

風景写真と言えば3WAY雲台という認識が一般的にはありますが、私はこれまで好んで自由雲台を使用してきました。

3WAY雲台は水平が取りやすい、緻密なフレーミングが出来るなどのメリットがありますが、それよりも縦軸横軸に捉われず自由なフレーミングができる自由雲台の方が、私の撮影スタイルには合っているからです。

自由雲台には、カメラを自分の思いのままに動かすためにボールの動きの滑らかさが必要です。

その一方で、構図を決めた時にはカメラを微動だせず保持するという相反する力が求められます。

その両者のバランスを上手く持った自由雲台というのが理想ではあるのですが、なかなかそう上手く出来るものではないようです。

私が今回入手したモデルは、今では手に入らないQ10(旧型モデル)ブルーカラーですが、これを三脚に取り付け、実際にフィールドで撮影してみました。

私が自由雲台を使用する際に一番重要視するのが、ボールの動きの滑らかさは当然ながら、フレーミングを決めたい時に微妙な位置調整が必要な時、意図したところでスムーズにかつ確実に止める事が出来るかどうか。

通常時はストレスなく自由にボールが動くよう、ボールへの締め付けトルクを解放しておきます。

しかし、微妙な動きが必要な時はカメラとレンズの重さがあるため、操作が難しくなります。

その際、メインノブの締め付けを少し増す事によって動きを調整しますが、このマーキンスについては任意にノブを回して適度なフリクションをかけてあげた時のボールの動きが、非常に良かったです。

良くあるのがちょっと動かそうと思ったら必要以上に動いてしまう、もしくは動いてくれないという事がこれまでの自由雲台では往々にしてあったのが、このマーキンスに関しては自分の意図した通りの微妙な動きをコントロールする事ができます。

また、もう一つ重要なのがフレーミングを決めてボールを固定するためにメインノブを締めた時に、カメラが全く動かないという事。

これまで使用していた雲台では、最後にボールの締め付けをしたあとにカメラから手を離すと、ほんのコンマ数ミリという単位ではあると思うのですがレンズが下方向へ動いてしまいます。

広角域のレンズでの撮影であればほとんど気にならないこの動きも、300mm以上の望遠レンズで撮影していると、このわずかな動きがフレーミングに多少なりとも影響を与えてしまいます。

実際に300mm(APS-C)の望遠レンズで撮影した所、最後に締めつけた後にカメラから手を離しても、重みでレンズが下に向くという事は全くありませんでした。(VRホルダー未使用時の場合もです。)

また、この雲台にはトルクリミットダイヤルが備わり、任意の締め付け強度(フリクション)の状態でトルクリミットダイヤルを締めることにより、それ以上ノブを緩めようとしてもメインノブを回らなくすることができます。

このフリクションの設定をすることによって、たとえばカメラから手を離している状態で不意にメインノブを緩めても、「カックン」と急にカメラが動くのを防ぐ事が出来ます。

別の言い方をすれば、適度なフリクションがかかったままボールを動かしフレーミングを決め、手を離せばカメラが固定されてそのままでも撮影はできます。(固定は不十分ですので、正しい使い方ではありませんが。)

雲台とともに今回使用したのが、VR-Holder。

300mmなどの望遠で撮影するとき、またマクロレンズを使用してレンズを繰り出し等倍に近いような状態で撮影するときは、ほんの少しのレンズの動きがブレにつながります。

そういったときは、このVR-Holderを使用することによってブレの原因を取り除く事ができます。

Markinsの製品は、堅牢さを持ちながら非常に軽くかつコンパクトに出来ており、雲台及びカメラへの装着も容易にする事ができます。

VR-Holderを使用してカメラとレンズの重心を雲台の中心に置く事により、ブレの軽減はもちろんのことフレーミングをする際の操作性も向上しますので、撮影時にはそのありがたみをとても感じました。

今回一連の撮影に実際に使用してみて、工芸品のような見た目の美しさもさることながら、高度な技術によって仕上げられた間違いのない一品であることを改めて確認をしました。

自分にとって今後の撮影には欠かす事の出来ない重要な一つの道具として、これからも使い続けていきたいと思います。




写真は、宮城県南三陸町歌津崎で撮影をした夜空と夜明けの海です。



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