米屋こうじ | 自由雲台
テーマ
鉄道写真
撮影者
鉄道写真家 米屋こうじ
撮影日付
2019年06-07月
撮影場所
福島県内
撮影機材
マーキンス
FUJIFILM
X-T3
XF18-55㎜F2.8-4 R LM OIS
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
XF14mmF2.8 R
XF23mmF1.4 R
XF35mmF2 R WR
XF1.4X TC WR
XF2X TC WR
XF18-55㎜F2.8-4 R LM OIS
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
XF14mmF2.8 R
XF23mmF1.4 R
XF35mmF2 R WR
XF1.4X TC WR
XF2X TC WR
ジッツオ
G2227
レビュー
米屋こうじ (よねやこうじ)
1968年山形県天童市生まれ。広告写真家・安達洋次郎、鉄道写真家・真島満秀に師事の後フリーランスとなる。生活感のある鉄道風景のなかに人と鉄道の結びつきを求めて、日本と世界を旅しながら撮影を続ける。アジアの鉄道旅で出会った人々との触れ合いを綴った、エッセー集『ひとたび てつたび』、写真集『I LOVE TRAIN-アジア・レイル・ライフ』(ころから)など著書多数。
- 主な写真展 -
- 1999年 「タイ鉄道旅情」-富士フォトサロン
- 2011年 「アジアン鉄道でゆこう」コニカミノルタプラザ
- 2013年 「I Love Train-アジア・レイル・ライフ-」キヤノンギャラリー
- 2016年 「ときのしずく」エプサイト
- 2017年 「Hello Goodbye」キヤノンギャラリー
ウェブサイト: https://www.asiantrains.com/
鉄道写真と私
山形県内の奥羽本線沿線で生まれ育ちました。
当時の奥羽本線には、東京と秋田・青森を結ぶ夜行列車が複数運転されており、夜中に耳を澄ませると、夜汽車の走る音が風に乗って聞こえてきたものです。思えば、この育った環境が、鉄道に魅了されるきっかけになったようです。
中高生になると、友人を誘って列車の旅に出るようになりました。それまで、列車は見知らぬ町と町を結ぶものでしたが、その見知らぬ場所へ実際に行き、空気を吸い、風景を見て、我々を遠くへ運んでくれる鉄道への憧れが、より広がってゆきました。もし、この時カメラを持って行かなかったら、今の私はなかったでしょう。そして三脚も……。
中高生の頃は、訪ねた先々で、出会った列車をホームや沿線で撮影していました。なかでも、夜行列車が夜のホームに停車している場面が好きでした。ヘッドライトを輝かせた機関車の迫力、最後尾に灯るテールライトの旅情感。そんな夜行列車の撮影に三脚は欠かせません。国産の小さな三脚をたえず持ち歩き、誰も居ない夜のホームで、バルブ撮影をしていました。
当時の奥羽本線には、東京と秋田・青森を結ぶ夜行列車が複数運転されており、夜中に耳を澄ませると、夜汽車の走る音が風に乗って聞こえてきたものです。思えば、この育った環境が、鉄道に魅了されるきっかけになったようです。
中高生になると、友人を誘って列車の旅に出るようになりました。それまで、列車は見知らぬ町と町を結ぶものでしたが、その見知らぬ場所へ実際に行き、空気を吸い、風景を見て、我々を遠くへ運んでくれる鉄道への憧れが、より広がってゆきました。もし、この時カメラを持って行かなかったら、今の私はなかったでしょう。そして三脚も……。
中高生の頃は、訪ねた先々で、出会った列車をホームや沿線で撮影していました。なかでも、夜行列車が夜のホームに停車している場面が好きでした。ヘッドライトを輝かせた機関車の迫力、最後尾に灯るテールライトの旅情感。そんな夜行列車の撮影に三脚は欠かせません。国産の小さな三脚をたえず持ち歩き、誰も居ない夜のホームで、バルブ撮影をしていました。
自由雲台派です
中高生時代に抱いた鉄道への憧れは消えず、大人になり鉄道写真を仕事にする道を選びました。仕事となれば、機材にも効率と確実さが求められます。レンズを向ける先も、車両ばかりでなく、それを走らせる人々、利用する乗客たち、旅情などへと広がってゆきました。クルマでのロケもありますが、列車に乗って移動し、沿線を歩く取材も多く、三脚はシッカリしながらも軽いものが好ましいという観点で選んできました。
三脚本体にもまして重要なのは雲台で、ハンドリングの善し悪し次第では、撮りたい瞬間を逃してしまうこともあります。私は一発で構図を固定できる素早さと、シンプルな構造ゆえの軽さで、国産の自由雲台を数種類使用してきました。おおかたは満足でしたが、重いレンズを載せて緩めた時、ヘッドのボールが一気に弛緩してバランスを崩し、指を挟んでしまうことがしばしばありました(けっこう痛いんですよね…)。また締め付けが不十分で、撮影中に若干動いてしまうことも不満の一つでした。
三脚本体にもまして重要なのは雲台で、ハンドリングの善し悪し次第では、撮りたい瞬間を逃してしまうこともあります。私は一発で構図を固定できる素早さと、シンプルな構造ゆえの軽さで、国産の自由雲台を数種類使用してきました。おおかたは満足でしたが、重いレンズを載せて緩めた時、ヘッドのボールが一気に弛緩してバランスを崩し、指を挟んでしまうことがしばしばありました(けっこう痛いんですよね…)。また締め付けが不十分で、撮影中に若干動いてしまうことも不満の一つでした。
マーキンスの使い心地
SNSなどでしばしば見かける、赤いマーキンスの雲台は気になる存在でしたが、それまでの国産品に不満は少なく「派手な雲台があるんだなぁ」という感じで見ていました。しかし、使用してみると、それがまったく外面を見ていただけだった事が分かりました。レベルが一段も二段も上の使用感に、目が覚める思いでした。
小さな力でもヘッドをシッカリ固定できるのは言うまでもありませんが、ボールヘッドの可動に適度なトルク感があり、前途のように急激に緩んで、指を挟んだりする心配がありません。暗闇のなかで構図をとる時など、雲台が急激に大きく動いてしまえば台無しになる場合もあるので、これは助かります。
さらにリミットダイヤルを調整すれば、ちょうど良い強さで固定することが可能です。調整が効くというのは使用する側にとって大きなアドバンテージです。
そして、クイックシューとプレート類が、スピーディーかつガッチリとカメラを固定してくれる事に驚きました。Lプレートにより、素早くにタテ位置のアングルをとることも可能です。自由雲台はタテ位置が撮りにくいので、クイックシューとLプレートの組み合わせの良さは嬉しい限りです。
小さな力でもヘッドをシッカリ固定できるのは言うまでもありませんが、ボールヘッドの可動に適度なトルク感があり、前途のように急激に緩んで、指を挟んだりする心配がありません。暗闇のなかで構図をとる時など、雲台が急激に大きく動いてしまえば台無しになる場合もあるので、これは助かります。
さらにリミットダイヤルを調整すれば、ちょうど良い強さで固定することが可能です。調整が効くというのは使用する側にとって大きなアドバンテージです。
そして、クイックシューとプレート類が、スピーディーかつガッチリとカメラを固定してくれる事に驚きました。Lプレートにより、素早くにタテ位置のアングルをとることも可能です。自由雲台はタテ位置が撮りにくいので、クイックシューとLプレートの組み合わせの良さは嬉しい限りです。
安定のVR-ホルダー
夜景などの低照度のコンディションに加え、長い望遠レンズを使用する場合などは三脚使用が必然となります。
足場に制約がある新幹線撮影の場合、架線柱や架線を吊るビーム類など、余計なものを画面から排除し画面を整理する必要がでてきます。そのため、どうしても、焦点距離の長い超望遠レンズの使用頻度が高くなります。今回はXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRに2倍のテレコンバータXF2X TC WRを装着、望遠端の800mm(35mm判換算で約1200mm)で東北新幹線を狙いました。これくらいの長さになると少しの動きでフレーミングが大きく変わってしまいます。また、三脚座だけの支持ではブレも心配です。
そこでVR-Holderを使用。三脚座をクイックシューで固定、更にレンズの先端近くをローラーで支える仕組みです。一点で支えるのとは違い、安定感が格段に増します。肉眼を超えた超望遠レンズの写真イメージを生み出す強い見方になってくれました。
最後に、機材は撮影に影響を及ぼすものだということをマーキンスを使用して改めて感じました。 ここぞというときはやはり三脚をたてて撮影しますので、わずかなフレーミングでも快適に決まるマーキンスはやはり使っていて楽しくなるし結果にも満足できます。
私とマーキンス、この先長い付き合いになりそうです。
足場に制約がある新幹線撮影の場合、架線柱や架線を吊るビーム類など、余計なものを画面から排除し画面を整理する必要がでてきます。そのため、どうしても、焦点距離の長い超望遠レンズの使用頻度が高くなります。今回はXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRに2倍のテレコンバータXF2X TC WRを装着、望遠端の800mm(35mm判換算で約1200mm)で東北新幹線を狙いました。これくらいの長さになると少しの動きでフレーミングが大きく変わってしまいます。また、三脚座だけの支持ではブレも心配です。
そこでVR-Holderを使用。三脚座をクイックシューで固定、更にレンズの先端近くをローラーで支える仕組みです。一点で支えるのとは違い、安定感が格段に増します。肉眼を超えた超望遠レンズの写真イメージを生み出す強い見方になってくれました。
最後に、機材は撮影に影響を及ぼすものだということをマーキンスを使用して改めて感じました。 ここぞというときはやはり三脚をたてて撮影しますので、わずかなフレーミングでも快適に決まるマーキンスはやはり使っていて楽しくなるし結果にも満足できます。
私とマーキンス、この先長い付き合いになりそうです。
■ DOWNHILL
FUJIFILM X-T3 / XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + XF2X TC WR1/800秒 F14 ISO800
■ 霧源郷
FUJIFILM X-T3 / XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR1/500秒 F5.6 ISO400
■ 盛夏・到来
FUJIFILM X-T3 / XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + XF2X TC WR1/640秒 F11 ISO800
■ 山峡の轍
FUJIFILM X-T3 / XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR1/1000秒 F9 ISO400